土木一式・建築一式とは?

一式工事だけの特別ルール


■ 一式工事は「元請専用」の特別な業種

建設業の29業種の中で、 土木一式工事と建築一式工事だけは「一式工事」と呼ばれ、他の27業種(専門工事)とは区別されています。

一式工事は、単に工事を施工するだけでなく、 複数の専門工事を組み合わせ 企画・指導・調整を行い 元請として総合的に管理・施工する このような“統括する立場”での工事が対象になります。


■ 一式工事 ≠ どんな工事でもできる

「一式だから、全部できるんですよね?」 …とよく聞かれますが、 一式工事の許可を持っていても、専門工事単独では請け負えない場合があります。

たとえば: 土木一式許可があっても、500万円以上の舗装工事を請けるには舗装工事業が必要

      建築一式許可があっても、500万円以上の内装工事を請けるには内装仕上工事業が必要 となります。


「一式工事の中であれば、500万円未満の専門工事は附帯工事として可能」とされていますので、 逆に言うと

「建築一式工事の範囲内でも、内装工事など専門工事が単独で500万円(※税込)を超える場合は、内装仕上工事業の許可が必要」

ととなるわけです。 


たとえば

総額2,000万円の新築工事のうち、内装工事が500万円超  → 建築一式だけではNG。内装仕上工事業も必要。

総額1,000万円の建築一式工事(内装工事400万円)  → 建築一式許可だけでOK

内装工事500万円超を単独で請け負う  → 建築一式では不可。内装仕上工事業が必要


ということですね。

よくある勘違い例

一式を取りたい、とご相談いただいても実際は一式は必要にということもしばしばです。
いくつか事例を紹介しましょう。

  • 「一式工事を持っていれば、全部の工事ができると思っていた」


    ある工務店さんは建築一式工事を持っていて、 住宅の新築やリフォームで、水道・電気・内装もまとめて請けていました。

    ところがその中には500万を超える電気工事などがあり、実は許可が必要だったことを知り、慌てて相談にみえました。


    この場合は「ただちに専門工事の許認可を取る」ことになります。

     知らずにやってしまったものについてですが、行政側もわざわざ追っかけてはこないのであえて報告しないのが一般的です。

    とはいえ!無許可施行を黙認してるわけではないです。

    日常的に無許可施行を続けていると、決算変更届の際の工事経歴書と決算書の数字に必ず齟齬が出てきます。「ばれるまではOK」みたいな勘違いは絶対しないでください。


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  • 「うちは重機土工だから、土木一式が必要だと思っていた」

    宅地造成に伴う掘削・埋戻し・整地を請負う事業者です。

    ゼネコンやハウスメーカーからの下請けで、ユンボやブルドーザーでの重機土工を請負ってます。

    大きな重機を扱うので一式のような気もしますが、この場合はとび・土工・コンクリート工事業で足ります。

    一式が必要になるのは、

    造成+排水+舗装+構造物+全体施工管理  

    のように総合的に取りまとめる元請工事をやる場合だけです。

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  • 「内装リフォーム業者だけど一式で取りたい」

    内装リフォームを主にだけど、一式工事も請け負っている事業者さんです。 一式工事を取らせて、とご相談いただきましたが、工事資料を拝見すると、内装業だけで500万を超える工事を請け負うことになりそうな雰囲気でした。 この場合は 内装仕上工事の専門工事の許可も必要になります。 一式+内装仕上の許可を目指すようご案内しました。ただ、専任技術者を職歴で取ろうとしてたのですが一式工事を扱いだして間がなかったため、まずは内装を取って追々一式も取りましょうとの流れになりました。

    壁コンセント作業
  • 請け負ってる工事が一式のつもりだったけど、個別工事だった

    内装+電気+水道のように、複数の専門工事をやってるので一式だという誤認もあります。

    専門工事を複数やっていてもそれは、専門工事×nとみられる場合もあります。

    もっとも簡単な見分け方として「一式≒元請け」で区別するとわかりやすいです。

    一式工事は基本元請けです。


    下請けで一式工事とみなされるための要素ですが、
    ・複数の専門工事をまとめて受けている(工事と工事の関係性がある)
    ・現場の施工管理・工程調整を担っている
    ・工事の「実態」が元請的である
    と、ふわっとしているので実際に経歴で許可を取る際は我々行政書士も工事資料預かって管轄の土木事務所に行って「どうですかね?一式になりますか」という調整を行います。

    ゼネコンとの打合せ

あなたの会社に必要な許可は?

御社に必要なのがどの許可なのかチェックしてみましょう

場合によっては一式+専門工事の場合も

どんなに規模の大きい工事を請け負っていても総合的な指揮・監督でなければ必要なのは専門工事の許可です。

たとえば…


道路舗装工事だけ → 舗装工事業

建物の内装リフォーム → 内装仕上工事業

小規模造成だけ → とび・土工・コンクリート工事業


となるわけです。

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    元請として、複数工種の工事を総合的に請け負う予定がある → 土木一式工事業 or 建築一式工事業

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    単体の工事を請け負う → 専門工事業

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    自社で施工する専門工事がある → 専門工事業の許可も必要

2級施工管理技士が欲しいところ

職歴で一式はハードル高い

新規で許可を取る際は、経営管理者と専任技術者の要件クリアが一つの山場となってくるわけですが、特に一式工事の専任技術者を職歴で取ろうとするのは難しいパターンが多いです。

というのも、これから許可を取る=現在は500万以下しか請けられない状況で、「500万以下の一式工事」を数年来請けているという状況はちょっと限定的ですよね。一式許可を持った他社で経験を積んだのでなければ、ちょっと難しいケースが多いでしょう。

一式工事の職歴証明は専門工事より随分難易度高いです。


その点、施工管理技士の国家資格があればこの点は容易にクリアできます。

少数法人や一人親方なら社長自らが取得という発想が順当かもしれませんが、施工管理技士を雇用するのも近道の一つです。

定年で退職した人や、個人事業主で施工管理技士を持ってる方を雇うチャンスがあったらアプローチしてみてもいいかもしれません。

ただし、「専任=常勤」である必要があるので名義貸しはできません。悪いことは考えないでください。


社長イン役所

一式工事か専門工事か線引きは、各社の状況や各自治体によってもちょっとずつ変わってくるので我々も慎重に進めます。

同時に、自社に必要な許可についても正確に把握しておく必要があります。

許可を取ったら請けることになりそうな工事の中でどれにどの許可が必要なのかしっかり把握しておきましょう。


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