王道ルートは「技能実習」→「特定技能1号」→「特定技能2号」or「技術人文国際」

長く働けるにこしたことは無い!

どちらの制度もそれぞれの目的や特徴があるので一概に決めつけるのは避けたいところですが、弊所はとにかく働き手を確保したい、という事業者様には「技能実習」→「特定技能」が王道ルートです、と説明しています。


働き手不足解消が目的なら「特定技能」だろ、というのもごもっともです。「技能実習」は働きながら実習生に技能を習得してもらうことが目的なので、本来目的が働き手不足解消であるなら「特定技能」制度を活用するのが筋なのですが、実態として「技能実習」は働き手を得る手段として長年活用されてきました。なので「技能実習」制度は廃止され、2027年を目途に「育成就労」制度に切り替わる段取りが既に進んでいます。

「育成就労」の育成の目的は「特定技能人材になるとこまで育てる」とされているので、その後も日本で働いてもらうことが想定されているので、法制度の本旨という意味では形骸化しているので重要視する必要はもはや無いといっていいでしょう。


そして「特定技能」も「技能実習」も基本的に単純労働に従事することが想定されていて、今まで技能実習生が労働力として活躍してきた実績を考えても単純な人手不足の解消が目的ならこのルートが王道です。


正直、技能実習ルートを選ばれちゃうと監理団体が全て手配を進めちゃって、我々行政書士の出番が無いので特定技能で採用してくれた方がありがたいところではありますが、2号にならなければ5年で帰国しなければならない特定技能より、その前段階に技能実習5年を入れて10年働いてもらえる技能実習が単純に雇用するほうからしたら順当と考えます。


以下ではこの考え方を基本に、「特定技能で採用したほうがいいケース」「技能実習で採用するデメリット」という視点で説明してみます。


※両制度は業種や国などによってさまざまな例外がありますが本記事では大枠を理解しやすくするために、細かい例外はあえて極力省略してあります。

個別の事例についての詳しい部分はぜひ一度ご相談ください。


「特定技能」で採用したほうがいいケース

「技能実習」よりも優れている点

では、どのような場合に特定技能で採用したほうがいいか例を挙げてみましょう

1.人材の質を求めたい

2.幅広い業務を任せたい

3.特定技能2号を目指す環境がある

4.受け入れ可能人数を超えて雇いたい

5.そもそも技能実習制度に職種が無い


1.人材の質を求めたい

人材の質は当然特定技能が〇

人材に質を求めるなら当然特定技能です。

ここで言う質は二つの側面がポイントになります。


一つは、当然ながら業務遂行能力です。

特定技能人材は日本語検定N4以上と各業種別の試験に合格しています。
ギリギリのN4だと少し頼りないですが、業種別試験に合格できるレベルの子なら現場でも日本語が上達することが期待できます。
業種別試験は結構難しくて、合格率40~70%と言われています。
技能実習5年に相当するかと言うとどうなんだろう、とも思いますがそれなりの難易度をクリアした人材です。

難易度の高い仕事も任せたい場合は特定技能です。


もう一つは、見落としがちかもしれませんが素行・倫理面です。

「民度」という言い方にしてもいいでしょうか。

脱走や問題行動などトラブルが起こる可能性も低いと言えます。
違う文化の民族が一緒に働けば思いもよらない課題は必ず出てきます。
そんな時に歩み寄って解決していけるか、という観点は重要です。
「初めて外国人を雇うからやっていけるか不安だ」、という場合に特定技能を選択するというのも一つの判断だと思います。

2.幅広い業務を任せたい

技能実習の場合に見落とさないように注意!

特定技能が16分野とざっくりしているのに対して、技能実習は85職種156作業と細かく分かれています。

「キミ、見込みあるから別の仕事も任せるよ」と言いたくても、任せられない!なんてケースが出てくる場合もありえます。

技能実習には「必須作業」「必須関連周辺作業」という考え方があって、例えば『物流会社』が、『工業包装』の職種で雇っているなら梱包の業務のみに従事させてないといけなくて、ピッッキング作業とかはおまけ程度にしかさせられないし、必須作業が50%切っちゃうとコンプラ違反にまでなってしまいます。

小規模な会社なので薄いところを臨機応変に手伝ってほしい、とか、純粋な実習業務だけと考えると使い勝手ないなあ、というような場合は実習生を持て余してしまうことになります。

その点、特定技能人材の場合は広い範囲の業務を任せられるというのはさすが人手不足解消のためにつくられた制度、と言えるでしょう。

3.特定技能2号を目指す環境がある

時限がなくなれば優秀なほうがいい

特定技能2号になれば、5年の更新上限はなくなり、ずっと働いてもらうことができます。

末永く事業を支えてくれる店長・工場長候補などとして昇進させる環境があるのなら積極的に特定技能制度を活用してほしいです。

基本的に特定技能も技能実習も体力仕事が想定されていて、20~30代の若者がほとんどです。残酷ですが制度設計的にはその人たちが歳とって働けなくなったとこまでは面倒見られない、という建付けになっています。悪意ある言い方をすれば労働力として使い捨てるつもり、とも言えますが、国の運営としては順当とも言えるでしょう。


そんな中いい人には一緒に事業を広げていける仲間を見つけたい、という期待があるのなら、特定技能で採用する方がいい出会いになる可能性が高くなります。


特定技能2号は受験資格として店長、部門長、ライン長、班長など他の従業員やアルバイトなどを指導・管理などする役職に2年以上従事している必要があります。(※業種ごとに違うので注意)

1号で就労して2年くらいでそのような役職に昇進できる環境があるなら、募集の段階からアピール材料にしてモチベーションの高い人材をスカウトしよう、という戦略も十分立てられるのは特定技能の大きな魅力です。

4.受け入れ可能人数を超えて雇いたい

特定技能は受け入れ可能人数無制限

技能実習制度には「受け入れ人数枠」というものがあります。

常勤職員数30人なら受け入れ枠3人、300人なら15人と、限られた人数しか受け入れられません。
優良認定受けたら倍になるなどはありますが、それよりも多く人手が欲しいという場合には特定技能人材一択となります。

特定技能人材には上限がありません。


この人数枠の設定は「あくまで実習が目的で労働者確保のためではない」という技能実習制度の目的が関与しているのだと思います。他にも管理が難しくなるから、とかの理由もあるでしょうから一概には言えませんが、もしかしたら育成就労制度がまとまっていく過程で緩和される可能性もあるのではないか、と注目しています。

5.そもそも技能実習制度に職種が無い

外食業は特定技能一択

外食業は技能実習の職種にありません。

なので特定技能一択となります。


国の基本的な考え方としては、育成就労と特定技能はリンクさせたい、と考えているはずなので、もしかしたら今後入ってくるかもと注目しているのですが、配膳係などは技能実習レベルの日本語だとちょっと難しいかもしれません。


とはいえ都会の飲食店なら、アルバイト求人を出せば留学生が結構来てくれるのではないでしょうか。

人材紹介会社に高いお金払って求人するより、一緒に働いていいな、と思う子を社員にスカウトするのが地雷をひくリスクもないし、現実的ですね。

上記のような場合は特定技能人材を採用するのがいいでしょう。

ちなみに採用コストと人件費についてですが、特定技能は日本人と同等以上の給与で契約しなくちゃいけないところ技能実習なら最低賃金でも可とあるので一見技能実習の方が安い、と見えてしまいますが、技能実習なら監理団体や送り出し機関への監理費、特定技能なら登録支援機関への支援委託費があったり、実習生の方が手がかかることを考えたら、なんやかんやで大差はないというのが実態のようです。

「技能実習」→「特定技能」の王道ルートの進め方・注意点

王道ルートで外国人を受け入れていく際の手順や注意点を整理してみましょう

イメージしやすいように時系列にしてみました。


  • STEP.1
    試験中

    人選・採用

    まず最初に監理団体に受け入れ希望を相談すると、監理団体が提携している送り出し機関から条件に合う人を人選してくれて、その中から採用者を選んでいくことになります。

    当然候補者は国外にいるわけですが、この際、送り出し機関や監理団体から現地で対面を段取りされることも多いです。おそらく「シャチョサン!」と猛烈な接待を受けることになると思いますが、残念ながら必ずしも行儀のいい人たちばかりとは限らないので、キックバック持ちかけられたりとかする可能性があります。くれぐれもご注意ください。


    はるばる海を越えて長い付き合いになる可能性もあるので、採用にあたって可能ならやはり対面で話してみて選ぶ方がよいでしょう。

    しかし日本人を採用するのとは違う感覚が問われます。

    日本や職場に適応できるかについては予めチェックポイントや方針を決めておくのがよいでしょう。

  • STEP.2
    介護

    実習開始~特定技能移行人材選抜

    実習生たちは現地で約半年前後、日本語や日本の生活、職種についてのトレーニングを受けて入国、さらに1ヶ月監理団体での直前講習を受けたらいよいよ御社での実習開始です。


    初めての受け入れの場合などは驚く事が次々起こることだと思いますが、根気強くコミュニケーションを取りましょう。過度な期待も酷ですが、当然奴隷扱いは厳禁です。実習生たちにとっては職場の皆さんが日本そのものであるということは忘れないでください。

    そしてもしこの段階でいいな、と思う実習生がいたらその子は宝です。評価を伝えて最終的な特定技能2号までのロードマップを共有しましょう。


    実習を実施していきながら残していく人選を行います。

    そういう意味では通常の雇用契約と異なり「実習を受けさせている」立場でもあるので、次の特定技能のステップには進めない、と評価してあげることも可能ですし、自社の都合で雇えなくても実習修了者として同業者などに紹介することも選択できます。

  • STEP.3
    自動車工場

    特定技能2号への道

    技能実習を修了することで、特定技能人材として雇用することが出来ます。

    実習の間は監理団体が世話係・相談係となりますが、特定技能人材になると登録支援機関がその役割に代わります。監理団体自体が支援業務もやっていたりするのでまずは監理団体に相談してみてください。

    外国人と新たに雇用契約を結んで在留資格変更申請をしたらもう実習生ではなく御社の社員です。

    どんどん業務を任せて会社に貢献してもらいましょう。


    この際の注意点として、彼らが転職をする権利を手にすることです。

    実習を受けている立場の間は転職は原則不可とされていますが、技能を持った一人のビジネスパーソンとして、より良い条件の企業に転職することも考えられるようになるのです。

    この点については日本人と一緒です。正当に評価し、待遇しなければ逃げられるのは当たりまえですね。

    しっかり信頼関係を築いておきましょう。


    実習修了者として特定技能雇用をするのであれば、そのころには特定技能2号に移行するかどうかの方針も大体決まっていることでしょう。

    今はまだ2号の運用が始まって間もないので経過措置もありますが、5年の更新上限の間に責任役職2年以上の受験者資格をクリアさせたらできるだけ早く受験させる計画をたてましょう。

    2号試験、なかなかの難関です。合格率40~60%と数字上は1号と同等と見えますが、受験資格の段階で絞られた職長クラスの経歴の受験生の中でのこの数字なので複数回受験できる余裕も計算するべきです。


    そして晴れて2号試験に合格すれば、更新の上限がなくなります。

    末永くあなたの右腕として会社に貢献してもらいましょう。

「技能実習」「特定技能」制度比較
制度の要点を表で比較してみました

上記で触れていませんが採用方法については特徴的かもしれませんね。

ダウンロード

まとめ

以上、技能実習→特定技能が王道という立場から、特定技能と技能実習の特徴を比較してみました。
最初にも触れましたが、産業ごとだったり、出身国だったりで例外となるケースも多々あります。
御社の事業に何が適しているかもっと詳しく知りたいという方はぜひ、一度弊所までご相談ください。

  • まとめ1.人材の質は特定技能のほうが高い

    業務をこなせるかと同時に、日本文化への適応できるかなどの管理リスクについても留意しましょう。

  • まとめ2.働いてもらえる期間は技能実習のほうが長い

    シンプルに技能実習のほうが5年長く働いてもらえる、という理解でいいですが、特定技能2号を視野にいれるのであれば前提が変わる、という点が大きなポイントです。

  • まとめ.3 愛のある共生を

    どちらの制度も決して奴隷扱いするためのものではありません。

    雇用主は労働力の提供を受けて自事業を発展させるため、労働者は就労機会や学びを得るための制度です。

    異文化を理解しあって、お互いが幸せになるように心がけましょう。

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